2012年09月19日

脱原発をなぜ私が訴えるか Vol.2【改訂版】

原発爆発のシナリオ

 原子力の役割は電気を起こすことですが、そんなものより人間の命や子どもたちの未来のほうがずっと大事です。起きてしまった過去は変えられませんが、これからの未来は人間の英知で変えることは可能です。
1.jpg 今、福島第一原発ではウラン燃料を覆っている被覆管が破損しているため、もし何かの拍子に溶融した燃料ペレットが落下し、圧力容器に溜まっている水と接触するような事態が起きるとしたら、事故発生時に大きな驚きと恐怖でテレビ画面にくぎづけとなって見守ったあの水蒸気爆発の何倍もの大きさの爆発が引き起こされます。圧力容器や格納容器は吹き飛んで、炉心は完全に露出し、大量の放射性物質が噴き出すことになってしまいます。そうなると原発敷地内の放射線量は致死量を超えてしまうことになり、このような最悪のシナリオは何としても回避しなければなりません。
 そうなると汚染が全世界を襲うことは確実であり、その最悪のシナリオを回避するには、6.jpg私たちは原子炉に水を入れてひたすら冷却する手段しかないのです。今この時点で、急性障害が出るレベルの被曝にも目をつむって作業を続け、必死に働いている3000人に及ぶ人たちの努力に心から敬意と感謝を表するしかありません。
 今回の福島原発の事故は最悪のレベル7です。しかし政府が事故を「小さく見せよう」とし、レベル7に引き上げたのは事故から1ヶ月後の昨年4月12日です。また、民主党政権の管前首相の統治者としての逸脱したパフォーマンス的行為が、炉心のメルトダウン発生によって放射能が拡散し、一秒でも早く避難が必要だった汚染地域の皆さんを長い間放置し、大きな被曝を与えた責任は刑事事件としてそれを問わなければなりません。

 1986年4月26日、チェルノブイリ原発では「核暴走事故」が起こりました。事故が起きるまで旧ソ連共産党幹部は、「原発を首都モスクワの赤の広場に建てても安全」と言及していたのです。チェルノブイリで犠牲となった作業員の遺体は鉛の棺に入れられ、墓も隔離され、遺族も遺体に今をもっても近づくことさえできないのです。事故の後始末には累計で60万人もの人々が投入されました。そして、猛烈な被曝を受けながら廃炉の墓場となった原子炉を「石棺」で覆ったのですが、この石棺はすでに25年たっても何ら解決の糸口はなく、これは福島原発事故でも同じこととなるのです。チェルノブイリ原発の近くには、たくさんのヘリコプターや軍事車両が捨てられた「放射能の墓場」があります。今、放射能汚染物質をどうするかという議論だけが先行し、なんら決定的な決断を下し得ないのが野田民主党政権なのです。

日本も原発から20km圏内に、チェルノブイリと似たような「放射能の墓場」を作らざるを得なくなると私は思います。3.jpg事実、8月19日に政府は除染での廃棄物を処理するために、「中間貯蔵施設」と称して原発周辺の双葉町や大熊町、楢葉町などの12ヶ所にその建設計画を打診しました。これは復興計画のほんの1つでしかなく、今後更なるこれら地域への強制的な犠牲を求めることになりましょう。地下数百mまでの穴を掘り、決して地球表面に高レベルの廃棄物が何万年も出て来ないような施設・構造物の建設が急務ではないでしょうか。

チェルノブイリでは1984年に稼動開始し、たった2年の運転で広島原爆の約800発分が空中に飛散し、地球上に散らばりました。この事故の30年前、日本では原発建設へゴーサインを出し、それを受けて新聞各社は原発を称賛する特別記事を掲載しておりました。例えば、1954年7月21日毎日新聞は「原子力を潜在電力として考えると、まったくとてつもないものである。しかも石炭などの資源が今後、地球上から次第に少なくなっていくことを思えば、このエネルギーのもつ威力は人類生存に不可欠なものといってよいだろう。・・・・電気料金は2000分の1になる。・・・・原子力発電には火力発電のように大工場を必要としない、大煙突も貯炭場もいらない。また毎日石炭を運びこみ、たきがらを捨てるための鉄道もトラックもいらない。密閉式のガスタービンが利用できれば、ボイラーの水すらいらないのである。もちろん山間へき地を選ぶこともない。ビルディングの地下室が発電所ということになる」。翌年の12月31日の東京新聞は「三多摩の山中に新しい火が燃える。工場、家庭へどしどし送電」などと報道しており、この程度の原発に対しての認識をもって世論誘導がなされ、日本は原発建設へと驀進し、結果は3・11の放射能被曝となってしまいました。
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【参考文献】
小出裕章(京都大学原子炉実験所 助教授)著「原発のウソ」
原田泰(早稲田大学政経学部 教授)著「震災復興 欺瞞の構図」
他科学サイエンス機関誌

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